SHAREコミュニケーションプロジェクト概要
SHAREとは
Supportive environment(支持的な環境)
- 十分な時間を設定する
- プライバシーが保たれた、落ち着いた環境を設定する
- 面談が中断しないように配慮する
- 家族の同席を勧める
How to deliver the bad news(悪い知らせの伝え方)
- 正直に、わかりやすく、丁寧に伝える
- 患者の納得が得られるように説明をする
- はっきりと伝えるが「がん」という言葉を繰り返し用いない
- 言葉は注意深く選択肢、適切に婉曲的な表現を用いる
- 質問を促し、その質問に答える
Additional information(付加的な情報)
- 今後の治療方針を話し合う
- 患者個人の日常生活への病気の影響について話し合う
- 患者が相談や気がかりを話すよう促す
- 患者の希望があれば、代替療法やセカンド・オピニオン、余命などの話題を取り上げる
Reassurance and Emotional support(安心感と情緒的サポート)
- 優しさと思いやりを示す
- 患者に感情表出を促し、患者が感情を表出したら受け止める
(例:沈黙、「どのような気持ちですか?」)、うなずく) - 家族に対しても患者同様配慮する
- 患者の希望を維持する
- 「一緒に取り組みましょうね」と言葉をかける
がん治療医の先生方が困難に思われるコミュニケーション場面について、浜松市の治療医の先生方に伺ってみました。その結果、以下のような状況でどのように伝えるとよいのか困ることが多いという意見が聞かれました。がんという病名告知や方針説明だけでなく、積極的な抗がん治療を中止して体調を整えるケアに専念すること(Best Supportive Care: BSC)、予後告知、ホスピスへの紹介、心肺停止時に心肺蘇生を行うか行わないか(Do-Not-Resuscitate: DNR)などが挙げられました。さらに、近い将来動けなくなることが予想される場合に何かやっておきたいことがあるとすれば「今しかない」ということをどのように伝えるかも難しいという声もありました。