QPL開発の全体像
QPL(質問促進リスト)は、患者さん・ご家族が「医療者に聞きたいこと」を整理し、 納得して治療や療養に向き合うための手助けとなるように作成しました。
このページでは、基本の質問リスト(17項目)がどのようなプロセスで作られたのかを紹介します。
QPL開発の全体像

基本の質問リストは、1)研究エビデンスのレビュー、2)患者・市民参画によるデルファイ調査の 2段階で作成しました。
方法1:QPLを用いた介入研究のレビュー
- ランダム化比較試験(14文献)から、QPLの質問項目を抽出しました。
- 抽出した質問項目は 376項目 でした。
- 同一プロトコル内で重複する項目などを整理し、項目数を絞り込みました。
- 複数のプロトコルで共通して扱われる「重要性・汎用性の高い項目」を抽出しました。
- 結果として、27項目 を抽出しました。
抽出した項目について、研究チーム内外の専門家が内容を確認し、表現や重複を整理しました。
検討に関わった専門職
- 腫瘍医
- 看護師
- 心理師
- 精神科医
検討した内容
- 項目の意味内容が重複するものを統合しました。
- 質問の表現を、患者さんが使いやすい言葉に整えました。
- 不要な不安を強めないよう配慮し、項目を整理しました。
その結果、27項目 から 19項目 に整理しました。
方法2:患者・市民参画によるデルファイ調査
患者・市民の視点を反映するため19項目についてデルファイ調査を行いました。
調査方法
- デルファイ法
対象
- 患者・市民代表※による評価(199名)
- 属性:50〜60歳代が中心/女性66%/患者77%/経過観察中40% など
※患者市民代表・・・ 国立がん研究センター 患者・市民パネル
採用基準
- デルファイ調査は3回実施し、75%以上 が合意した項目を採用しました。
基本の質問リスト(17項目)の完成
以上のプロセスを経て、基本の質問リストは 17項目 として整理されました。 患者さん・ご家族が「まず聞いてみたいこと」を持ち寄りやすくなるよう、項目数と表現を調整しています。
基本の質問リストの項目一覧は、以下のページからご覧いただけます。

